軽量級は、ストロー級からバンタム級まで。
´91.12.22
WBC世界ストロー級タイトルマッチ
〇王者 リカルド・ロペス(メキシコ)12回判定 ●挑戦者 李 敬淵(韓国)
ガードが高く、きれいなフォームでワンツー、左右フック、アッパーを放つ”精密機械”リカルド・ロペス。大橋からタイトルを奪った試合は、上手くて強いと感じた。
李はガードを固めてクロスレンジで戦う姿勢。ロペスはやや打ち急いでいるのか、自分から打ち終わりに接近して距離が詰まるシーンが目立つが、最終ラウンド、右ストレートのカウンターを顔面にヒットさせてダウンを奪う。
この試合は、開始時間が早まって、ウォーミングアップをする時間がほとんどなかったとの事。やや焦って打っている感じはあったが、それでもロペスの圧勝。
´92.12.22
WBA世界ストロー級タイトルマッチ
〇王者 崔 熙墉(韓国)10回 1分33秒TKO ●挑戦者 細野 雄一(角海老)
細野はチャンピオンに気後れすることなく、手数も多く挑戦者らしいスタイル。計4度のダウンを喫するが善戦。第10ラウンドにロープ際で連打をまとめられるとレフリーストップ。ジョー小泉さん
「私がマッチメークした試合でしたけど、細野選手よく頑張りましたね。この試合で自信をつけて、日本チャンピオンの座についたんだと思いますね」
浜田さん
「普通は試合に勝って自信がつくものですが、強いチャンピオンにいい試合をしたという事で、負けても自信がついた試合ですね」
崔、朴、柳などしつこい手数で前進するコリアンファイター、韓国ボクシング隆盛の頃が懐かしい。
´92.6.13
WBA世界ストロー級タイトルマッチ
〇王者 崔 熙墉(韓国)3回 2分59秒KO ●挑戦者 ロンメル・ラワス(フィリピン)
しつこい手数でどんどん前進。至近距離での連打から右ボディーブローでラワスダウン。カウントアウト。ジョー小泉さん
「元々アマチュアボクサーでしたが、だんだんプロ的に変身してきてますね。ところが逆にアウトボクサータイプだった良さが徐々に消えてるんですね」
崔は結構被弾もあり、以前アウトボクシングをしていたようにはみえないが、しっかりとプレッシャーをかけながら倒し切る、堂々のインファイト。
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´92.2.15
IBF世界Jフライ級タイトルマッチ
〇王者 マイケル・カルバハル(アメリカ)12回 判定2分59秒KO ●挑戦者 マルコス・パチェコ(メキシコ)
チャンピオン”小さな石の拳”マイケル・カルバハルは22戦全勝。しっかりパンチを溜めて強いパンチを打つ、この頃の軽量級らしからぬスタイル。だが、この試合では強打は不発。浜田さん
「初めてカルバハルを観た時にはびっくりしました。まさかJフライ級で一発一発倒すパンチを打つとは。その分、軽量級の手数で来るボクシングには苦戦しますね」
この試合では不発だったが、カルバハルのパンチの振り方は豪快。のちに戦うことになるウンベルト・ゴンザレスとの試合は今でも強烈な印象が残っている。
´92.6.7
WBC世界Jフライ級タイトルマッチ
〇 王者 ウンベルト・ゴンザレス(メキシコ)12回 55秒TKO ●挑戦者 金 光善(韓国)
第5ラウンドには金の右アッパーをまともに受けるゴンザレス。金はポイントでは有利に試合を進めるも、第11ラウンド終了間際、ゴンザレスの連打から左フックでダウン。最終ラウンド、ゴンザレスの大きな左フックがヒットすると金の膝が崩れ、ロープ際に後退。ここでゴンザレスが連打をまとめるとレフリーストップ。ジョー小泉さん
「この試合は私がマッチメイクした試合ですね。場所はソウル。金は88年、ソウルオリンピックのフライ級で金メダル。プロでは1階級下げての挑戦ですね」
浜田さん
「ゴンザレスはテクニックを見せようとすると、いいところが死んでしまいますが、前に出ると強いですね」
終盤までポイント劣勢ながら、ゴンザレスの逆転勝利。最後はゴンザレスのパワーが試合を決める。最後まで何があるのか分からないのがボクシング。パワーのある選手の強みが出た試合。
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´92.9.14
WBC世界Jフライ級タイトルマッチ
〇 王者 ウンベルト・ゴンザレス(メキシコ)2回 2分48秒TKO ●挑戦者 ナパ・キャットワンチャイ(タイ)
場所はアメリカ、カリフォルニア州イングルウッド”番狂わせの館”グレート・ウエスタン・フォーラム。ナパは井岡弘樹と2勝1分。ゴンザレスは体でロープへ押し込み、上下の連打。ナパはたまらずクリンチ。振りほどかれるとバランスを崩してダウン。再開後、ゴンザレスの左右アッパーにナパは崩れ落ちる。
パワーの違いがもろに出た試合。ゴンザレスは1度タイトルを獲られてから、テクニック重視の試合もあったが、ここにきてパワフルなボクシングが戻ってきた印象。
´91.10.25
WBC世界フライ級タイトルマッチ
〇 王者 ムアンチャイ・キティカセム(タイ)12回判定 ●挑戦者 アルベルト・ヒメネス(メキシコ)
第3ラウンド、ムアンチャイの左ジャブの打ち終わりに、ヒメネスが右ストレートを合わせると、ムアンチャイは1回転して大きくバランスを崩し、ロープ際まで後退。ヒメネスが左フック、右ストレートを打ち込むとムアンチャイダウン。立ち上がると顔をしきりに振りながらダメージを回復させる。その後は、ムアンチャイが盛り返して判定勝負へ。判定は2-0でムアンチャイ。お互いスピードがあり、白熱したシーソーゲーム。ムアンチャイは打たれ弱くダウンも多いがケロッと立ち上がり、ダウンがなかったように動ける、ダウンからの回復が早い面白い選手。
´92.2.28
WBC世界フライ級タイトルマッチ
〇 王者 ムアンチャイ・キティカセム(タイ)9回TKO ●挑戦者 ソット・チタラダ(タイ)
前チャンピオンのチタラダ。チタラダからタイトルを獲ったムアンチャイとの再戦。第2ラウンドにムアンチャイの右ストレートでチタラダがダウン。第9ラウンドにもムアンチャイの右ストレートでチダラダの膝がガクンと落ちる。自コーナーで棄権するチタラダにムアンチャイが駆け寄り、健闘をたたえる。
ジョー小泉さん
「もうチタラダの時代は終わったなぁという感じがしましたね」
高柳さん
「タイにおける新旧の交代」
ムアンチャイはフットワーク、パンチのスピード、回転も速く、キビキビとした切れのある動き。比べてチタラダはフットワークが重く、パンチもワンテンポ遅れていた印象で、まさに新旧の交代。
軽量級②へ続く