中量級は、Jフェザー級からウェルター級まで。
´92.4.17
IBF世界Jフェザー級タイトルマッチ
〇 王者 ウエルカム・ヌシタ(南アフリカ)12回判定 ●挑戦者 ヘスス・サルード(アメリカ)
イタリアで行われた試合。序盤は挑戦者サルードがポイントをとるが、ほぼヌシタのペースでポイントアウト。3-0の判定でヌシタが6度目の防衛。
ジョー小泉さん
「ヌシタは迫力はないですが、スピードがあって、相手との間合いやごまかすのが上手いですね」
ヌシタのディフェンスは、フットワーク、ボディーワーク中心できれいにかわしているようだが時折パンチをもらって、試合終了後は左まぶたが腫れていた。
´91.10.7
WBA世界Jフェザー級タイトルマッチ
● 王者 ルイス・メンドサ(コロンビア)12回判定 〇挑戦者 ラウル・ペレス(メキシコ)
チャンピオンのメンドサは5度目の防衛戦。ペレスはグレグ・リチャードソンに負けて、階級を上げての挑戦。
試合は両者手数も多く、ポイントの取り合いに。判定でペレスが勝利。ペレスはバンタム級に続き2階級制覇。
浜田さん
「メンドサは長期政権になるかと思っていたんですけどね」
両者あまりスピードは感じなかったが、手足が長く、近い距離でも腕を折りたたんでフック、アッパーと手数がよく出ていた。
´92.3.27
WBA世界Jフェザー級タイトルマッチ
●王者 ラウル・ペレス(メキシコ)3回 2分27秒TKO 〇挑戦者 ウィルフレド・バスケス(プエルトリコ)
場所はメキシコシティでペレスの地元。かつて日本の六車卓也選手と戦ったことのあるバスケスは、この試合が2階級制覇をかけた挑戦。
第3ラウンド、バスケスのよけてすぐの左フックがペレスの顎をとらえると、後方に倒れるようにダウン。その後、バスケスはペレスをロープ際へ追い込み、左フックを連打すると、ペレス崩れるようにダウン。立ち上がるも、バスケスの右ストレートから切り返しの左フックを受けるとレフリーストップ。
浜田さん
「この試合はバスケスのパンチ力が目立ちましたね」
ジョー小泉さん
「中南米の選手は同じパンチを4発、5発と続けて打てますね」
上体を小刻みに振りながら、相手の打ち終わりを狙いすました左フックで倒す、パンチの強さだけではなく、カウンターを打ち出すタイミングも絶妙のバスケス。後にナジームハメドとも戦うことに。
´92.7.27
IBF世界フェザー級タイトルマッチ
〇王者 マヌエル・メディナ(メキシコ)10回 終了TKO ●挑戦者 ファブリツィオ・カッパイ(イタリア)
メディナのニックネームは『マンテカス(油)』。油のように滑らかに、パンチがスムーズに出るスタイルからきているもの。
試合はメディナのペース。第10ラウンド、メディナはカッパイをコーナーに追い詰め、左ジャブを顔面、右ストレートをボディーにワンツーで放つと、ボディーが効いたカッパイはダウン。立ち上がるも、再びコーナーでメディナの連打を浴びるとゴングに助けられる。ここでカッパイはギブアップ。メディナは3度目の防衛に成功。
ジョー小泉さん
「カッパイが完敗した試合ですね」
高柳さん
「ハハッ(笑)」
浜田さん
「強いパンチを受けたのであれば仕方ないですが、世界戦をやる選手がボディーブローで倒れるとは、ですね」
昔はボディーブローで倒れるのは恥ずかしいという風潮があった。ボディーを打ってもらうと、当たる瞬間に力を入れて痛みに耐える耐久力はある程度鍛えられるが、予測していないパンチをレバー(肝臓)やストマック(胃)にもらうと1発でも効かされるので、試合の中でボディーブローに反応できるかも大切。
世界戦はなかなかチャンスに恵まれない選手もいるので、カッパイが試合を諦めたのは、あまりいただけない。
´92.9.12
WBC世界フェザー級タイトルマッチ
〇王者 ポール・ホドキンソン(イギリス)10回 終了TKO ●挑戦者 ファブリス・ベニシュ(フランス)
ちょんまげを結っているベニシュ。
第4ラウンド、ベニシュはホドキンソンの連打に後退し、左フックを効かされるとダウン。立ち上がり試合は続行。
第10ラウンド、ベニシュはホドキンソンのコンビネーションを浴びると唇をカットし、出血のためドクターチェック。ドクターの判断で試合はストップ。
ジョー小泉さん
「ホドキンソンは、ずば抜けた力はないんですが、安定した力は持っていると思いますね」
ホドキンソンは、特別なスピードやパンチの強さは感じられないが、試合の後半でもしつこくコンビネーションを出し続けられる。打ち続けて攻めるのも体力を使うので、しんどい中でも手を出す、よく練習をしているように感じる。
中量級②に続く