軽量級はストロー級(現在のミニマム級)が入っていなくて、Jフライ級からフェザー級まで。
´90.12.19
WBC世界Jフライ級タイトルマッチ
●王者 ウンベルト・チキータ・ゴンザレス(メキシコ)6回 2分24秒KO 〇挑戦者 ローランド・パスクア(フィリピン)
前年のタイソン対ダグラス戦に匹敵する、大番狂わせと言われた試合。無敵のチャンピオン、ゴンザレスが序盤からワンサイドに攻められる。
パスクアの右ボディーから、右フックをテンプル、左ストレートを右頬にもらうとゴンザレスふらつく。左右フックを顔面にラッシュされると大きく後方に背中からダウン。カウントアウト。
ゴンザレスの試合はこの頃から観始め、時折スイッチしながら、体は頑丈でパンチもありそう。でもこの試合に関してはパンチは大振りでスピードもなく、被弾も多くてあまり強い印象はなし。サウスポースタイルのパスクアは手足が長く、シャープにパンチをまとめていた。解説のお二方とも試合結果に驚かれていたのが印象的。
のちに、マイケル・カルバハルと戦うことになるが、あの試合は何度も見返すほどすごい試合。
´91.3.25
WBC世界Jフライ級タイトルマッチ
●王者 ローランド・パスクア(フィリピン)10回 1分59秒TKO 〇挑戦者 メルチョール・コブ・カストロ(メキシコ)
ゴンザレスに勝ったパスクアは、翌年3月の防衛戦1週間前にリミットまで5キロオーバー、減量苦もあり動きが重い。ロープ際でカストロに連打を受けたところで横を向いて手を振り棄権。世界戦ではあまりみたくない終わり方で、後味はあまり良くない。
´91.6.3
WBC世界Jフライ級タイトルマッチ
●王者 メルチョール・コブ・カストロ(メキシコ)12回判定 〇挑戦者 ウンベルト・チキータ・ゴンザレス(メキシコ)
パスクアに勝ったカストロがゴンザレスの挑戦を受ける。ロープ際でかわして打つテクニックもみせて、タイトル奪回。
浜田さん
「以前よりスケールは小さくなった」
ジョー小泉さん
「ゴンザレスは前に出るのが特徴。後ろに下がってのカウンターは感心しない」
上手さはありましたが、やっぱり迫力には欠けるか。力のあるゴンザレスやから、みんなが求めるレベルが高いという事かな。
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´90.11.10
WBA世界Jフライ級タイトルマッチ
〇王者 柳 明佑(韓国)12回判定 ●挑戦者 レオ・ガメス(ベネズエラ)
柳は16度目の防衛戦で、地元韓国でのリマッチ。柳は手数が多く、接近戦から左フックを顎に打ち込み、ガメス一瞬動きが止まる場面も。柳は井岡と、ガメスは八尋、戸高、セレス小林と試合をしている、日本人には馴染みのある選手。
´91.5.18
WBC世界フライ級タイトルマッチ
〇王者 ムアンチャイ・キティカセム(タイ)12回 2分38秒TKO ●挑戦者 張 正九(韓国)
オーソドックスのムアンチャイは5R、接近戦になった時に左フックをテンプルに、右アッパーを顎に受けて2度ダウン。第11Rには右ストレートのカウンターを顎に打ち抜かれ、計3度のダウン。最終ラウンドまでポイントはほぼ互角。最終12R、ムアンチャイの左フックが張の顎をとらえると動きが止まり、怒涛の連打からの右を顎に受けてダウン。何とか立ち上がるが左フックを顎に打ち込まれ2度目のダウン。再び立ち上がるもふらつき、レフリーに寄りかかってしまいストップ。張はこれがラストファイト。ムアンチャイは、ユーリ海老原との試合も倒し倒されで、ユーリの右カウンターはカメラアングルが悪かったけど、タイミングがドンピシャ!
あの時ミッキーロークがメインで、ユーリがセミって。。
´91.4.7
WBA世界Jバンタム級タイトルマッチ
〇王者 カオサイ・ギャラクシー(タイ)5回 2分30秒TKO ●挑戦者 朴 済錫(韓国)
サウスポーのカオサイは17度目の防衛戦。上体の筋肉(特に肩・胸)の盛り上がりがすごい。右ボディーフック、左アッパーは重たそうで、上下・内外の打ち分けも上手い。地元タイでの試合で、パンチを振る度に「オイ、オイ」と、観客のかけ声で連打のリズムも出てくる感じ。第3ラウンドにカオサイが左ストレートでこめかみを打ち抜くと朴ダウン。朴は一生懸命手を出すが、終始押されて第5ラウンドにTKO。鬼塚との試合が観たかったけどその前に引退。鬼塚は決定戦で、タノムサクと戦うことに。
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´91.7.20
WBA世界Jバンタム級タイトルマッチ
〇王者 カオサイ・ギャラクシー(タイ)5回 1分28秒TKO ●挑戦者 デビッド・グリマン(ベネズエラ)
カオサイがパワーで圧倒。解説の浜田さんもグリマンには期待していたみたいだが、「こうなるとテクニックの出しようがないですね」。現役の浜田さんも相手にテクニックを出させない試合をしていたような…(笑)
´91.6.15
IBF世界Jバンタム級タイトルマッチ
〇王者 ロバート・キロガ(アメリカ)12回判定 ●挑戦者 キッド・アキーム(ナイジェリア)
キロガは接近戦で手数が多く、前へどんどん出ていくスタイル。アキームは、長身で左ジャブからストレート系のパンチを主体としたスタイル。お互い引かずに終始パンチの交換。キロガは左まぶたをカットし出血も多かったが、最後まで手数が減らず、熱戦で王座防衛。IBFは日本ではまだ馴染みがなかったが、どちらも気持ちの入ったナイスファイト。
´91.3.16
WBC世界Jバンタム級タイトルマッチ
〇王者 文 成吉(韓国)4回2分57秒TKO ●挑戦者 ナナ・コナドゥ(ガーナ)
前チャンピオンとのリマッチ。文は典型的なコリアンファイター。粗削りだが接近して思い切りパンチをねじ込むスタイル。コナドゥはフットワークが軽く、左ジャブからスピードあるコンビネーションで攻めるスタイル。予想ではコナドゥが有利だったが、2Rにロープに詰められると文の怒涛の連打でコナドゥがダウン。第4ラウンドにコーナーでくぎ付けにされ、打たれっぱなしになったところでレフリーストップ。この試合では負けてしまったコナドゥは、のちに辰吉、西岡、長谷川の宿敵となるウィラポンと戦うことに。
軽量級②に続く